製作経緯、演奏リレーについて

TSUNAMIヴァイオリンの製作経緯、演奏リレーについて。

2011年12月9日、島田基正氏(長野県上田市在住・上田第三木材経営)、大庭泰三氏(東京都八王子市在住)、中澤宗幸氏(東京都渋谷区在住・ヴァイオリン製作者)の3名で岩手県陸前高田市に行くため、一関市から日當和孝氏(岩手県久慈市在住・マルヒ製材経営 ※津波で工場を流される)の案内で陸前高田市に向かいました。

日當氏の案内で市内の一本松や瓦礫、流木の山を見て廻り、家屋に使用されていたと思われる松材や堅木などを集め、裁断してヴァイオリン2台分を持ち帰り、残りの材料を日當氏の工場に預けました。

TSUNAMIヴァイオリンの材料としては、表板には『松』、裏板と横板には『楓によく似た硬い木』を使用しています。

2011年12月31日まで材料の荒削り処理を終え、2012年2月中旬に白木状態で完成し、そこから音出しとニス塗りに取りかかり、完成ではありませんでしたが、陸前高田市で行われた2012年3月11日の慰霊祭でイヴリー・ギトリス氏による献奏に使用可能な状態まで出来上がりました。

現在、ヴァイオリン4台、ヴィオラ2台、チェロ1台の計7台の楽器がニスは完全に終わっていませんが、出来上がっています。

今後も工房のスタッフの手を借りながら作り続けます。興味のある方は工房をお訪ね下さい。

現在では世界中の音楽家440名による演奏リレーが続いております。

※ネット上で「震災ヴァイオリン」、「流木バイオリン」、など色々な間違った名前が記載されてますが、正式な名前は「TSUNAMI VIOLIN」になります。

ヨーヨー・マ 津波チェロを演奏(2013年10月29日サントリーホール 2013年10月30日NHKにて放送 )